建設業の顧問社労士|料金相場と依頼範囲で労務リスクを予防

「そろそろ、社労士さんに顧問を頼んだほうがいいのだろうか」。建設業を営むなかで、そう感じ始めた経営者様は少なくありません。
結論から言うと、建設業の顧問社労士の料金相場は、従業員10人以下で月額2〜4万円台が一つの目安です。依頼できる範囲は、労働社会保険の手続き代行、就業規則の整備、日々の労務相談が中心となります。契約の判断軸は「料金の絶対額」ではなく、「日給月給・常用工・一人親方混在という建設業固有の複雑さを、どこまで一緒に整理してくれるか」です。
本記事では、建設業ならではの労務の論点、社労士に依頼できる範囲、料金相場の目安、選び方の6視点、そして予防型の労務管理までを順に整理します。従業員5〜30名の中小建設業経営者様や、これから顧問を検討される一人親方の方に、判断材料としてお役に立てば嬉しく思います。
INDEX≡目次
- 1建設業で「顧問社労士」が必要と言われる背景
- ►他業種と何が違うのか(日給月給・常用工・現場移動)
- ►一人親方が混じる現場ならではの労災・保険の悩み
- ►スポット依頼と顧問契約の役割の違い
- 2建設業の顧問社労士に依頼できること・依頼が難しいこと
- ►社労士に依頼できる主な業務(労働社会保険手続・就業規則・労務相談)
- ►税理士・弁護士・行政書士との業務境界(税務・訴訟代理・許認可)
- ►「直接は難しい/別の道筋ならご一緒できる」ケース
- 3建設業の顧問社労士 料金相場と契約形態の目安
- ►月額顧問料の目安レンジ(人数規模別)
- ►顧問契約に含まれることが多い業務範囲
- ►給与計算・助成金申請などのオプション費用の考え方
- ►スポット契約が向いているケース/顧問契約が向いているケース
- 4建設業に強い顧問社労士の選び方(6つの視点)
- ►建設業許可・経審・現場労務の理解度
- ►一人親方の労災特別加入への対応可否
- ►外国人雇用(特定技能・技能実習)への対応可否
- ►レスポンスの速さと連絡手段(LINE・チャット・現場対応)
- ►業務範囲外への向き合い方(他士業との連携)
- ►契約前の初回ヒアリングの丁寧さ
- 5顧問社労士と一緒に取り組みたい「予防型」の労務管理
- ►36協定・時間外労働の上限規制(2024年適用)への備え
- ►現場の労災事故・通勤災害が起きたときの初動と再発防止
- ►就業規則・賃金規程・安全衛生規程の運用と見直し
- ►採用・定着・外国人雇用の相談
- ►助成金活用の可能性を一緒に探る
- 6初回のご相談から顧問契約までの流れ
- ►ステップ1:お問い合わせ・ヒアリング日程調整
- ►ステップ2:現状ヒアリング(無料相談 30〜60分)
- ►ステップ3:ご提案・見積書・契約範囲のすり合わせ
- ►ステップ4:ご契約・キックオフ・運用開始
- 7よくあるご質問(FAQ)
- ►Q1. 建設業でも従業員が数名しかいなくても顧問社労士は必要ですか?
- ►Q2. 一人親方でも顧問社労士に相談できますか?
- ►Q3. 顧問料の相場はいくらぐらいですか?
- ►Q4. スポット依頼と顧問契約はどちらが良いですか?
- ►Q5. 外国人雇用や助成金の相談もできますか?
- ►Q6. 建設業許可の更新や税務申告もお願いできますか?
建設業で「顧問社労士」が必要と言われる背景
建設業の労務は、他業種と異なる論点が同時多発的に発生します。現場ごとに人員が入れ替わり、日給月給と月給が混在し、一人親方と常用工が同じ現場で動く。これが「顧問社労士が必要」と言われる中心的な理由です。
日々の業務に追われる経営者様が、法改正や書類作成を一人で追いかけ続けるのは、正直なところ現実的ではありません。私たちが日頃ご相談を伺うなかでも、「保険料はきちんと払っているのに、恩恵を受け切れていない気がする」という声を頻繁にお聞きします。
建設業の労務が「他業種より複雑」になる3つの要因
給与体系の混在
月給・日給月給・日給が同じ社内に混在。欠勤・出勤の把握が細かく必要で、単純な月給計算では捉えきれない。
現場ごとの入替え
現場が変われば通勤経路も変わり、通勤災害の発生リスクも変動。繁忙期と閑散期の差が大きい会社ほど、勤怠の煩雑さが増す。
一人親方と常用工の同居
同じ現場に、自社の従業員と一人親方・協力会社の職人が混在。労災の適用範囲や元請け責任の切り分けが必要になる。
※ 制度への当てはめの前段階(実態把握)で立ち止まる経営者様が多い、というのが現場の実感です。
他業種と何が違うのか(日給月給・常用工・現場移動)
建設業の給与体系には、月給制・日給月給制・日給制が入り混じるという特徴があります。日給月給とは、月給ベースで支給されるものの、欠勤があればその日数分だけ差し引かれる形態です。単純な月給と違い、欠勤・出勤の把握が細かく必要になります。
現場が変われば通勤経路も変わり、通勤災害の起きやすいルートも変わります。加えて、繁忙期と閑散期の差が大きい会社様も多く、勤怠管理の煩雑さは事務職中心の業種とは比較になりません。
つまり建設業では、「制度をどう当てはめるか」より前に、「現場の実態をどう正しく把握するか」の段階で、多くの経営者様が立ち止まります。ここに、顧問社労士という外付けの相談相手が入る意味が生まれます。
一人親方が混じる現場ならではの労災・保険の悩み
建設業の現場では、自社の従業員だけでなく一人親方や協力会社の職人が同じ現場に入ることが日常です。ここで論点になるのが労災保険の適用範囲です。
一人親方は本来、労働者ではなく事業主に位置づけられます。そのため通常の労災保険は適用されません。ただし建設業に従事する一人親方は、労災保険の特別加入制度(労働者災害補償保険法第33条・第34条)を活用することで、業務上の負傷や疾病に対する補償を受けられる仕組みがあります。
「元請けとして、うちの現場に入る一人親方の労災はどう扱うのが正解なのか」。この論点は、顧問社労士に確認したい実務トップクラスの相談テーマです。個別の状況で回答が変わりますので、都度お尋ねいただければと思います。
スポット依頼と顧問契約の役割の違い
社労士への依頼は、大きくスポット契約と顧問契約に分けられます。スポット契約は、就業規則の作成や特定の助成金申請など、単発の業務に対して料金を決めて依頼する形態です。顧問契約は、月額料金を払って日常の相談窓口・手続き代行を継続的に頼む形態です。
「まだ人が少ないうちはスポットで十分」と考える経営者様は多いのですが、法改正の頻度や勤怠管理の煩雑さが増してくると、途中から顧問契約に切り替えるケースがよくあります。判断のタイミングは会社様ごとに違うため、一緒に見ていくのがいちばん確実です。
建設業の顧問社労士に依頼できること・依頼が難しいこと
社労士に頼めば「労務の全部」がまるっと片付く、と思われがちですが、実際は業務範囲が法律で定められています。社会保険労務士法(社労士法)第2条で、社労士の独占業務が規定されているためです。
一方で、「直接そのままの形では難しくても、隣接する士業と連携すれば実現できる」ケースは実務上非常に多くあります。ここでは中立に、業務境界と代替の道筋を整理します。
士業別の業務範囲|「頼めること」と「隣接領域」の見取り図
| 士業 | 代表的な業務 | 境界の見極めポイント |
|---|---|---|
| 社労士 | 労働社会保険諸法令に基づく書類作成・提出代行、就業規則、労務相談、労務管理コンサル、あっせん代理(特定社労士) | 日常の労務・保険手続・規程の相談は、まず社労士へ。訴訟代理・税務判断・許認可申請は他士業の領域 |
| 税理士 | 税務相談・税務申告・税務書類の作成・税務代理 | 社会保険料の考え方の相談は社労士、決算・法人税・所得税の判断は税理士へ切り分ける |
| 弁護士 | 法律相談・訴訟代理・和解交渉・示談代理 | 未払残業代の訴訟・懲戒処分の法的判断は弁護士。就業規則の設計・あっせん段階は社労士でも伴走可 |
| 行政書士 | 建設業許可・経営事項審査・入管業務・各種許認可申請書類の作成 | 建設業許可の書類は行政書士へ。社会保険の加入状況の整理・確認は社労士で伴走可能 |
※ 出典:社労士法/税理士法/弁護士法/行政書士法(各条項)
社労士に依頼できる主な業務(労働社会保険手続・就業規則・労務相談)
社労士の中心業務は、労働社会保険諸法令に基づく書類作成と提出代行・事務代理(社労士法第2条第1項第1号・第2号業務)です。具体的には、社会保険・雇用保険の資格取得喪失、労災の届出、算定基礎届、年度更新、就業規則・賃金規程の作成届出など、日常運営に必要な手続きが含まれます。
加えて、いわゆる3号業務として、労務管理コンサルティングや相談対応も社労士の業務範囲です。特定社会保険労務士は、個別労働関係紛争のあっせん代理も担うことができます。
日常的な労務の困りごとは、まずは顧問社労士にお声がけいただければ、多くの場面で入口として一緒に整理を進められます。
税理士・弁護士・行政書士との業務境界(税務・訴訟代理・許認可)
一方で、以下は社労士の業務範囲外になります。
- 税務相談・税務申告は税理士の独占業務(税理士法第52条)
- 法律相談・訴訟代理は弁護士の業務範囲(弁護士法第72条)
- 建設業許可・経営事項審査の申請書類作成は行政書士の業務範囲(行政書士法第1条の2)
- 不動産登記・商業登記は司法書士の業務範囲(司法書士法第3条)
「うちは労務だけでなく、建設業許可の更新も一緒に見てほしい」というご要望はよくいただきます。この場合、社労士が単独ですべてを担うことはできませんが、信頼できる行政書士との連携で全体をカバーする、という進め方が現実的です。
「直接は難しい/別の道筋ならご一緒できる」ケース
「これは業法上できません」と一言で終わらせず、代替案を一緒に考えるのが、私たちKT社会保険労務士事務所の姿勢です。たとえば以下のようなご相談は、その典型例となります。
- 「未払い残業代の裁判を代理してほしい」→ 直接そのままの形は弁護士のみ。ただし、就業規則・勤怠実態の整理や、あっせん段階での支援は特定社労士としてご一緒できるケースがあります
- 「決算対策も含めて社会保険料をどう見直すか相談したい」→ 税務判断そのものは税理士ですが、社会保険適用や標準報酬月額の考え方はご相談を受けられます
- 「建設業許可の更新書類を作ってほしい」→ 書類作成そのものは行政書士。ただし、社会保険加入状況の整理・確認は社労士が伴走できます
「駄目です、これはできません」で終わらず、「こっちだったらいけるかもしれない」と道筋を一緒に探す。ここに、社労士の顧問契約の本当の価値があると私たちは考えています。
建設業の顧問社労士 料金相場と契約形態の目安
建設業の顧問社労士の月額料金は、従業員1〜10人で20,000〜40,000円、11〜30人で35,000〜60,000円が一つの目安です。ただし、依頼範囲・訪問頻度・給与計算の有無で幅は大きく変わります。ここでは判断材料として、一般的な相場感と契約形態の目安を整理します。
料金は事務所ごとに異なりますので、あくまで参考値としてご覧いただければと思います。実際のご契約前には、必ず個別のお見積りをご確認ください。
建設業の顧問社労士|月額料金と業務範囲の目安(規模別)
| 従業員規模 | 月額顧問料の目安 | 含まれることが多い業務 | オプション扱いになりやすい業務 |
|---|---|---|---|
| 1〜4人 | 15,000〜30,000円 | 労働保険の年度更新/社会保険の資格取得・喪失/年数回の労務相談 | 給与計算/助成金申請/就業規則の新規作成 |
| 5〜10人 | 20,000〜40,000円 | 上記+隔月〜毎月の労務相談/法改正情報の提供 | 給与計算/助成金申請/就業規則の全面改定 |
| 11〜20人 | 30,000〜50,000円 | 上記+毎月の労務相談/算定基礎届/労災の初動対応 | 給与計算/賞与計算/助成金申請 |
| 21〜30人 | 35,000〜60,000円 | 上記+定期訪問/規程の見直し/管理職研修の助言 | 給与計算/助成金申請/年金相談 |
| 31人以上 | 50,000円〜(個別見積) | 上記+毎月訪問/衛生委員会運営の助言/人事制度設計の助言 | 給与計算/助成金申請/就業規則の全面改定 |
※ 出典:各社労士事務所公表の料金表を横断参照(2025年時点)/実際の金額は個別見積でご確認ください
月額顧問料の目安レンジ(人数規模別)
一般的な料金設定を、規模別に整理すると以下の傾向が見えてきます。
| 従業員規模 | 月額顧問料の目安 | 訪問頻度の目安 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 1〜4人 | 15,000〜30,000円 | 年数回〜隔月 | 各社労士事務所公表料金表を横断参照(2025年時点) |
| 5〜10人 | 20,000〜40,000円 | 隔月〜毎月 | 同上 |
| 11〜20人 | 30,000〜50,000円 | 毎月 | 同上 |
| 21〜30人 | 35,000〜60,000円 | 毎月 | 同上 |
| 31人以上 | 50,000円〜(個別見積) | 毎月+スポット | 同上 |
この目安に含まれることが多いのは、日常の労務相談・法改正情報の提供・簡易な書類作成です。給与計算・助成金申請・就業規則の新規作成は、多くの事務所でオプション扱いになります。
顧問契約に含まれることが多い業務範囲
顧問契約に含まれる業務の内訳は、事務所によって差があります。一般的には以下が含まれるケースが多い印象です。
- 労働保険・社会保険の届出(新規適用・資格取得喪失・算定基礎・年度更新)
- 労災事故の初動対応と労働者死傷病報告のサポート
- 労務相談(メール・電話・チャット中心。訪問は別途)
- 法改正情報の提供
- 就業規則の軽微な改定サポート
一方で、「新規の就業規則を一から作る」「年間で複数の助成金申請を行う」「給与計算をまるっと代行する」といった重量級の業務は、多くの事務所でオプションまたは別料金です。契約前にどこまでが顧問料に含まれるかを、口頭ではなく書面で確認いただくのが安心です。
給与計算・助成金申請などのオプション費用の考え方
給与計算の代行費用は、従業員1人あたり月額500〜1,500円を1つの目安に、初期設定費や賞与計算料が別途発生することが一般的です。日給月給・現場手当・遠方出張手当が混在する建設業では、給与計算の設計に時間がかかる傾向があります。
助成金申請は、成功報酬型が中心です。受給決定額の10〜20%(最低報酬額の定めがある事務所も多い)が相場観です。ただし、助成金は要件次第で受給の可否が決まるため、「必ず受給できます」というお約束は業法上できません。要件を満たす道筋を一緒に整理する伴走者として、ご活用いただければと思います。
スポット契約が向いているケース/顧問契約が向いているケース
判断の目安をシンプルに整理します。
スポット契約が向いているケース – 就業規則の作成だけを頼みたい – 特定の助成金の申請だけを依頼したい – 単発のご相談があるだけで、日常の相談窓口は不要
顧問契約が向いているケース – 日常的に「これ、どうすればいい?」と聞ける相手がほしい – 法改正のたびに自社への影響を確認したい – 労災事故の初動対応など、時間との勝負になる場面がある – 従業員が10名を超え、勤怠・保険手続きの発生頻度が上がってきた
「まだ判断がつかない」という段階でも、まずは一度お話をお聞かせいただければ、無理のない選択肢を一緒に整理いたします。
建設業に強い顧問社労士の選び方(6つの視点)
料金の安さだけで選ぶと、建設業固有の論点への理解が浅く、結局は追加相談で費用がかさむことがあります。私たちが日々ご相談を受けるなかで、経営者様が実際に判断材料にされている6つの視点を、ここにまとめました。
判断のポイントは「知識の量」より「聞く姿勢」に寄っています。CA時代に培った、相手の表情や空気の変化を読む感覚を大切に、私たちも初回のヒアリングを丁寧に行うようにしています。

建設業許可・経審・現場労務の理解度
まず確認したいのが、建設業許可・経営事項審査(経審)・現場の労務実態への理解度です。ここが浅いと、就業規則も、賃金規程も、汎用テンプレの当てはめで終わりがちになります。
「うちは経審で加点を狙っているのですが、社会保険の未加入があるとまずいですか?」といったご相談に、社労士単独では答えきれない部分があります。ただし、社会保険の適用範囲や、経審の加点要件と社会保険の関係については、社労士として整理をご一緒できます。建設業許可の書類作成そのものは行政書士の領域ですが、労務側から見た論点を伴走できるかは大きな差になります。
一人親方の労災特別加入への対応可否
一人親方の労災特別加入(労働者災害補償保険法第33条・第34条)への対応可否は、建設業に特化した社労士かどうかを見分ける踏み絵のようなポイントです。
「うちの現場に来ている一人親方さんの労災は、どこの団体で加入してもらうのがいいのか」「元請けとして押さえておくべき書類は何か」。こうしたご相談に具体的な選択肢を出せる事務所かどうかを、初回のヒアリングで確認いただければと思います。
外国人雇用(特定技能・技能実習)への対応可否
近年、建設業では外国人材の雇用を検討する会社様が増えています。特定技能・技能実習制度の労務面での注意点や、住居・生活面のフォロー体制など、押さえるべきポイントが多岐にわたります。
私たちの事務所でも、外国人雇用のご相談は年々増えています。制度そのものは複雑ですが、要点を絞れば十分に運用可能というのが、実際に伴走してきた実感です。
レスポンスの速さと連絡手段(LINE・チャット・現場対応)
建設業の現場は、待ってくれません。現場で労災事故が起きた、退職者が突然出た、といった場面で、翌日の返信では遅すぎることがあります。
「LINE・チャットで気軽に相談できるか」「現場対応で電話に出られない時間帯を理解してもらえるか」といった連絡手段の柔軟性は、実運用の満足度を大きく左右します。契約前に、連絡手段と対応時間帯の想定をすり合わせておくと安心です。
業務範囲外への向き合い方(他士業との連携)
「これはできません」で会話を終わらせるのではなく、「別の道筋ならご一緒できます」と代替案を出せるか。ここは、実は選び方のなかで見落とされがちな視点です。
信頼できる税理士・弁護士・行政書士とのネットワークを持っている事務所であれば、「うちでは対応できませんが、この件は◯◯先生をご紹介できます」と選択肢を提示してくれます。社労士単独で完結する労務案件は、実は多くありません。連携の姿勢を確認しておくことは、長い付き合いのなかで大きな差となって現れます。
契約前の初回ヒアリングの丁寧さ
そして最後に、いちばん確認しやすいのが初回ヒアリングの丁寧さです。契約獲得を急ぐ姿勢が透けて見えるか、それとも会社の現状と論点を一緒に整理しようとしてくれるか。ここに、その事務所の姿勢がすべて表れます。
私たち自身、「拡大より深化」「深く長く関わる」を大切にしているため、初回のヒアリングは丁寧に時間をかけてお聞きするようにしています。相手の表情や空気の変化を読みながら、本当に必要な支援だけをご提案する。ホスピタリティを大切に、コンシェルジュのような対等な関係性でご一緒できればと思っています。
顧問社労士と一緒に取り組みたい「予防型」の労務管理
顧問契約を「困ったときの相談窓口」で終わらせるのは、正直、もったいない使い方です。トラブルの前兆を早めに察知し、大事になる前に手を打つ「予防型」の伴走にこそ、顧問社労士の本当の価値があります。
代表・田渕がよくお話しするのは、「細かく見てないと大きいトラブルになっちゃう」という感覚です。就業規則の些細な文言、給与計算のわずかなズレ、勤怠の記録の抜け。この小さな変化を見逃さないことが、経営者様が本業に集中できる時間を守ることにつながります。
「予防型」の労務管理サイクル|4ステップで大事になる前に手を打つ
月次の労務状況ヒアリング
現場の勤怠、退職・入社、労災リスク、就業規則の運用実態を、定期的にお伺いします。
変化の兆しの検知
残業時間の増加、特定現場でのトラブル頻発など、小さな変化のなかにあるリスクの芽を検知します。
早期対応のご提案
大事になる前に、就業規則の見直し、勤怠管理の運用改善、面談の実施など、具体的な打ち手をご提案します。
再発防止策の運用
対応が済んだ後も、同じ論点が再発しないよう運用に落とし込み、次月のヒアリングで確認します。
36協定・時間外労働の上限規制(2024年適用)への備え
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が本格適用されました。改正労働基準法第36条により、臨時的な特別の事情がない場合の上限は、月45時間・年360時間となります。特別条項付き36協定を結んでいる場合でも、複数の上限(年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間以内、月45時間超は年6回以内)を同時に満たす必要があります(厚生労働省「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」2024年版)。
現場が繁忙期に集中する建設業では、この上限規制への対応が経営課題の一つになっています。36協定の様式選択、勤怠管理の整備、繁忙期の人員配置の見直しなど、社労士と一緒に整理していける論点が多くあります。
社会保険労務士法人ロームさんも、建設業の働き方改革対応について同様の実務論点を解説しています(YouTube動画「2024年4月〜建設業にも働き方改革が導入!対応策を解説」こちら)。私たちの事務所でも、同じ論点で日々ご相談を受けています。
現場の労災事故・通勤災害が起きたときの初動と再発防止
「現場でケガをしたら…収入が途絶える」。そんな不安を、経営者様も職人の方も、心のどこかに抱えていらっしゃいます。
労災事故が発生した際は、労働者死傷病報告の提出義務があります(労働安全衛生法第100条、労働安全衛生規則第97条)。休業4日以上の場合は遅滞なく、休業4日未満の場合は四半期ごとの取りまとめて提出することとなっています。時間との勝負になる場面で、顧問社労士がいれば初動の伴走ができます。
私たち自身、労災事故の対応で「まずは何をすればいいですか」というお電話を、休日や夜間にいただくこともあります。些細な連絡でも、まずお話をお聞かせいただければと思っています。
就業規則・賃金規程・安全衛生規程の運用と見直し
就業規則は「作って終わり」ではありません。法改正、会社の成長、現場実態の変化に応じて、定期的な見直しが必要になります。特に建設業では、日給月給の扱い、現場手当、遠方出張手当、みなし残業の設計など、他業種にはない論点が就業規則に絡んできます。
安全衛生規程についても、現場ごとのリスクアセスメントや、健康診断の実施体制など、運用の実態と規程が乖離していないかを定期的に見直したいところです。顧問契約の中で年1回、規程の棚卸しを一緒に行うというのが、実務的にはおすすめの使い方です。
採用・定着・外国人雇用の相談
建設業の人手不足は、多くの経営者様が抱える共通の悩みです。社会保険労務士法人ロームさんも、建設業の人手不足の本質的な原因と解決策について警鐘を鳴らしています(YouTube動画「建設業の人手不足が止まらない!経営者が今すぐ知るべき真の原因と解決法」)。倒産件数の増加という現実(東京商工リサーチによれば、2024年の建設業倒産件数は1,890件と高水準)は、人材課題と密接に関係しています。
採用・定着の改善は、就業規則の整備、賃金体系の見直し、労働時間の適正化といった労務側の取り組みと切り離せません。顧問社労士は、採用そのものは行いませんが、採用が続く会社の労務基盤づくりを伴走できます。
助成金活用の可能性を一緒に探る
雇用関係の助成金は、要件を満たせば活用の可能性がある、というのが正確な表現です。「必ずもらえる」「絶対に受給できる」と断定する社労士事務所には、慎重に接していただくことをおすすめします。業法上、断定できない性質の制度だからです。
とはいえ、要件の整理・申請書類の作成・受給までの伴走は、顧問社労士の得意領域です。人材開発支援助成金、キャリアアップ助成金、業務改善助成金など、建設業の会社様と親和性の高い助成金は複数あります。「うちで使える可能性があるものはありますか?」というご相談から、一緒に整理を始めていければと思います。
初回のご相談から顧問契約までの流れ
「まだ契約するか決めていないけれど、話だけ聞いてみたい」という段階のご相談も大歓迎です。ここでは、実際に私たちKT社会保険労務士事務所でのご相談から顧問契約までの流れを、簡単にご案内します。
無理に契約を急ぐことはいたしません。深く長く関わる伴走者として、お互いに納得したうえでお付き合いを始められるのが、いちばん幸せな形だと考えています。
初回相談から顧問契約までの4ステップ|安心して始めていただくために
お問い合わせ・日程調整
お問い合わせフォームより、会社の概要・お困りの内容・ご希望の連絡手段をお知らせください。営業日中であれば1〜2営業日以内にご返信します。
1〜2営業日現状ヒアリング(無料相談)
オンライン・対面のどちらでも対応可能。事業内容・従業員構成・現在の労務体制・お困りの内容を丁寧にお伺いします。契約前提のご説明はいたしません。
30〜60分・無料ご提案・見積書のご確認
ヒアリングを踏まえ、必要な支援内容・料金・契約範囲を書面でご提案します。顧問/スポットのどちらが向くかも、フラットにお伝えします。
1週間程度ご契約・キックオフ
契約書を締結し、キックオフのお打ち合わせへ。最初の3ヶ月は特に丁寧に、労務の現状把握と必要な整備を集中的に進めます。
3ヶ月で運用が安定「まだ判断がつかない」段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせいただくところから、一緒に整理していきましょう。
ステップ1:お問い合わせ・ヒアリング日程調整
まずはお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。会社の概要・現在お困りの内容・ご希望の連絡手段をお伺いします。営業日中であれば、通常1〜2営業日以内にご返信いたします。
「そもそも、何を相談したらいいかがまだ整理できていない」という段階でも、まったく問題ございません。まずはお話をお聞かせいただくところから、一緒に整理していきましょう。
ステップ2:現状ヒアリング(無料相談 30〜60分)
初回のヒアリングは、無料でお受けしています。オンライン・対面のどちらでも対応可能です(東京・江東区を拠点としており、都内近郊であれば訪問もご相談ください)。
ヒアリングでは、以下のような点をお伺いします。
- 会社の事業内容・従業員数・雇用形態の構成
- 現在の労務体制(社内担当者の有無、顧問社労士の有無)
- 直近でお困りの具体的な内容
- 中期的な事業計画・採用計画
この段階で、契約を前提としたご説明は一切いたしません。まずは現状を正確に把握することを大切にしています。
ステップ3:ご提案・見積書・契約範囲のすり合わせ
ヒアリングの内容を踏まえて、必要な支援内容とご料金を書面でご提案いたします。「顧問契約が向いているのか、まずはスポット契約から始めたほうが良いのか」も含めて、フラットにご意見をお伝えします。
もちろん、この段階で「他社さんとも比較してから決めたい」というのも自然なことです。急かすことはいたしません。ご質問があれば、何度でも遠慮なくお尋ねください。
ステップ4:ご契約・キックオフ・運用開始
ご納得いただけましたら、契約書を締結し、キックオフのお打ち合わせに進みます。最初の3ヶ月は特に丁寧に、労務の現状把握と必要な整備を集中的に進めていきます。
日々の連絡手段(メール・チャット・LINEなど)、月次のご報告方法、緊急時の連絡ルートを最初にすり合わせておくことで、その後の運用が安定します。「頼れるパートナー」として、経営者様の隣で一緒に考える伴走者でありたい。それが、私たちKT社会保険労務士事務所が大切にしている姿勢です。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 建設業でも従業員が数名しかいなくても顧問社労士は必要ですか?
必ず必要というわけではありません。ただし、社会保険手続・労災の届出・就業規則の整備・法改正への対応など、少人数でも建設業には論点が多くあります。「まずは相談だけ」から始められる事務所も多いので、お気軽にお問い合わせいただくのが安心です。私たちの事務所でも、まずスポットのご相談から始まって、状況を見ながら顧問契約に移行された会社様が多くいらっしゃいます。
Q2. 一人親方でも顧問社労士に相談できますか?
はい、ご相談いただけます。労災の特別加入や、元請けとの契約関係の整理、税務との境界の考え方など、一人親方特有のテーマにも対応しています。ただし、税務申告や許認可の書類作成は他士業の業務範囲ですので、必要に応じて信頼できる士業をご紹介する場合もあります。「うちの領域ではない」で終わらせず、道筋を一緒に考えることを大切にしています。
Q3. 顧問料の相場はいくらぐらいですか?
従業員数・依頼範囲・訪問頻度で変動します。10人以下の中小建設業で、月額2〜4万円台が一つの目安です。給与計算や助成金申請はオプション扱いになる事務所が多い印象です。詳しい金額は個別にお見積りいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。契約前に、どこまでが顧問料に含まれるかを書面でご確認いただくのが安心です。
Q4. スポット依頼と顧問契約はどちらが良いですか?
「就業規則を作りたい」「助成金の申請だけ」といった単発の場合はスポット契約が向いています。一方、日常的に労務の相談相手が欲しい、法改正のたびに影響を確認したい、労災事故の初動に伴走してほしい、といった場合は顧問契約が向いています。ご状況をお伺いしながら、無理のない選択肢を一緒に整理いたします。
Q5. 外国人雇用や助成金の相談もできますか?
外国人雇用の労務面のご相談や、雇用関係助成金の可能性の検討はお手伝いできます。ただし助成金は要件次第で受給の可否が決まるため、「必ずもらえます」というお約束は業法上できません。要件を満たす道筋を一緒に整理する伴走者として、ご活用いただければと思います。実際に活用実績のある助成金も複数ありますので、可能性の整理からお気軽にご相談ください。
Q6. 建設業許可の更新や税務申告もお願いできますか?
建設業許可の書類作成そのものは行政書士の、税務申告は税理士の業務範囲になります。そのため、社労士事務所として直接お引き受けすることはできません。ただし、信頼できる行政書士・税理士との連携でご対応できるケースは多くあります。「これはうちの領域外です」で終わらせず、必要な士業をご紹介しながら、労務側からできる伴走を続けていければと思います。
ご不明な点や、ちょっとした疑問があれば、お気軽にご相談ください。どんな些細なことでも、まずはお話をお聞かせいただければと思います。
私たちKT社会保険労務士事務所は、経営者様の隣で一緒に考える伴走者として、細やかに寄り添うサポートを大切にしています。人を活かして、経営に力を。そんな会社づくりを、建設業の中小企業経営者様・一人親方の皆様と、深く長くご一緒できれば幸いです。
まずはお問い合わせフォームより、ご遠慮なくご連絡ください。










